在宅医療看護師の労働条件

訪問看護ステーションは、在宅医療を支える重要な役割を担っています。病床を減らし、入院患者の入院日数を短くし、国の医療費削減政策には、訪問看護ステーションは重要な意味を持っていると言えるでしょう。

人間は誰でも病院ではなく、住み慣れた家庭の中で安心して療養生活が送りたいものです。そのためには、かかりつけ医の指示を受けて自宅を訪問し、健康チェックなどをしてくれる制度は有り難いものなのです。

訪問看護が提供してくれるサービスは、医療職の看護師が、リハビリテーションの指導、人工呼吸器の管理、末期がん患者には痛みコントロールなどのサービスを行ってくれます。サービスの対象者は、病気やケガなどが原因で、家庭で寝たきりになる心配のある人をはじめ、脳卒中の後遺症などがあり、医療処置が必要だとかかりつけ医が認めた人で、この中には認知症も含まれます。そのため、看護師の役目は大きいと言えます。

ところが、この訪問看護ステーションは小規模な事業所が多いのが特徴なのです。事業所のある場所が、患者との距離が近いため、きめ細かな配慮が行き届くという利点がありますが、一方では、一人の看護師や介護士にかかる負担が大きく、退職理由に労働条件や労働営環境を挙げる人は少なくありません。更に、診療報酬改定によって、2006年春に病院が看護師増員に乗り出したため、訪問看護ステーションで働く看護師が病院との労働条件の比較をするようになりました。当然、条件の良い病院に転職するようになるため、在宅医療の分野は人手不足になっているのが現状です。